制度を知る・違いを知る
これからの暮らしに備える制度を比べてみましょう
将来への備えには、見守り契約、財産管理委任契約、 任意後見契約、家族信託、遺言など、いくつかの方法があります。
それぞれ役割や利用する時期が異なり、 一つの制度ですべてに備えるものではありません。 「どの制度を選ぶか」ではなく、 「これから、どのような支援が必要になりそうか」 という視点から見てみてください。
契約や制度を考える前に知っておいていただきたいこと
見守り契約、財産管理委任契約、任意後見契約、 家族信託などの契約を行うためには、 ご本人が行おうとする契約の内容を理解し、 自分の意思で決めることができる状態であることが大切です。
また、遺言についても、その内容や結果を理解して ご本人の意思に基づいて行うことが必要です。
年齢だけで決まるものではなく、 認知症と診断されたことだけで直ちに何もできなくなるわけでもありません。 大切なのは、その時点で、行おうとする契約や行為を 理解して判断できるかどうかです。
何かを急いで契約するためではなく、 自分で考え、自分で選べるうちから、 これからの暮らしについて考えておくことが大切です。
手続が難しくなったら 財産管理委任契約 財産管理や各種手続を依頼
不十分になったら 任意後見 契約で定めた範囲の支援
※ 家族信託は、この時間軸とは少し性格が異なり、 財産の管理や承継の仕組みをあらかじめ設計する方法です。
| 比較すること | 見守り契約 | 財産管理 委任契約 |
任意後見契約 | 家族信託 | 遺言 |
|---|---|---|---|---|---|
| 主な目的 | 定期的に連絡・面談を行い、 生活状況などを確認する | 本人に代わって、 財産管理や各種手続を行う | 判断能力が不十分になった後の 生活・療養・財産管理を支援する | 特定の財産について、 管理や承継の仕組みを作る | 亡くなった後の 財産承継について意思を残す |
| 利用を考える時期 | 今は元気だが、 将来の暮らしに少し不安があるとき | 判断はできるが、 身体的な事情などで手続が難しくなったとき | 元気なうちに契約し、 将来の判断能力低下に備える | 元気なうちに、 将来の財産管理や承継を設計したいとき | 元気なうちに、 自分の死後の財産承継を決めておきたいとき |
| 本人の判断能力との関係 | 契約内容を理解し、 自分の意思で契約できることが必要 | 委任する内容を理解し、 自分の意思で契約できることが必要 | 契約時に 任意後見契約の内容を理解し、 自分の意思で契約できることが必要 | 信託する財産や契約内容を理解し、 自分の意思で契約できることが必要 | 遺言の内容やその結果を理解し、 自分の意思で行うことが必要 |
| 財産管理 | 原則として行わない | 契約で定めた範囲で行う | 契約で付与された代理権の範囲で行う | 信託契約で定めた目的・権限の範囲で 受託者が管理する | 生前の財産管理をする制度ではない |
| 生活・療養に関する支援 | 状況確認や相談が中心 | 契約内容に応じて 手続等を支援できる | 契約で定めた範囲で、 生活・療養看護に関する事務を支援できる | 原則として財産管理の制度であり、 身上面の支援そのものを目的とする制度ではない | 生前の生活支援をする制度ではない |
| 本人が判断能力を失った後 | 契約内容や本人の状態に応じて 継続の可否を検討する | 状況によっては、 任意後見等への移行を検討する | 家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると 任意後見契約の効力が生じる | 信託契約が有効に成立していれば、 契約に従って財産管理を継続できる | 有効に作成された遺言は、 本人の死亡後に効力を生じる |
| 本人がした行為を取り消す権限 | ない | ない | ない | 家族信託そのものに、 本人の法律行為を取り消す権限はない | このような権限を持つ制度ではない |
| 亡くなった後との関係 | 原則として本人の死亡により終了 | 原則として本人の死亡により終了 | 本人の死亡により終了 | 契約内容によって、 死亡後の財産承継について定めることができる | 本人の死亡後に 財産承継について効力を生じる |
| 主な特徴 | 将来の変化に早く気づき、 継続的に相談できる関係を作る | 判断能力がある段階から 必要な事務を任せることができる | 誰に、どのような支援を任せるかを 元気なうちに自分で決められる | 特定の財産について、 柔軟な管理・承継の設計ができる | 自分の財産を誰にどのように承継させたいかを 自分の意思で残すことができる |
| 検討するときのポイント | 誰が、どのくらいの頻度で、 どのように見守るか | 何を任せるのか、 代理権の範囲を明確にする | 任意後見人となる人、 将来任せる事務の内容を十分に検討する | 信託する目的、 財産、受託者、終了時の取扱いなどを 十分に設計する | 法定相続人、財産内容、 遺留分なども踏まえて検討する |
このほかにも、将来に備える方法があります
身元保証、死後事務委任契約、尊厳死宣言などが 検討される場合もあります。
これらは、ご本人の生活環境、家族関係、 希望する支援の内容などによって必要性が異なります。 当事務所では、ご相談の中で必要があると考えられる場合には その内容をご説明し、必要に応じて適切な専門家や 支援機関等をご案内します。
令和8年6月24日に、成年後見制度、任意後見制度及び 遺言制度の見直しを含む 「民法等の一部を改正する法律」が公布されています。
改正後は、法定後見制度の仕組みが大きく見直されるほか、 任意後見制度についても、家庭裁判所が必要がないと認める場合には 任意後見監督人を選任せず、家庭裁判所が直接監督することが 可能になるなどの見直しが行われます。
成年後見制度・任意後見制度に関する改正は、 公布の日から2年6か月を超えない範囲内で 政令で定める日に施行されます。
このページは現行制度を基準に作成しています。 改正制度の施行に合わせて内容を更新します。
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